問題の核心とは
ある国に何か問題があるとき、ほとんどの場合、問題の核心は経済にあると資本主義者なら知っている。
宗教問題や人種問題に形を変えているかもしれないが、根本にあるのは経済問題なのだ。
ドイツを例にとってみよう。一九六○年代や一九七○年代のように経済が拡大しているときには、人種問題といえるほどのことは起きていなかった。
発展が続く間、ドイツは多民を受け入れ、人々はそれに満足していた。君のところのくたびれた、貧乏な、安い労働をよこしてくれ、こっちには彼らが必要だから、というわけだ。
ドイツがビジネスをするには高くつくところになり、その結果競争力の低い経済になったときの人々の反応は
「あいつらを追い出せ。薄汚いよそ者なんか大嫌いだ。こんなことになったのは全部トルコ人のせいだ」というものだった。
ジム・ロジャーズ